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        ■ホットワックスの分類■
            
主素材より分類

紅色は既存技術
紫色は共用技術
青色はオリジナル

用語 記事
パラフィン(蝋)ワックス  パラフィンを主素材としたホットワックスのこと。スキーやボードに塗るホットワックスといったらこれ。スキー以外にも古くからさまざまな分野で使われている。歴史の長いパラフィン系ワックス(蝋)だが、近年の石油化学製品の著しい発展によりポリエチレン(PE)系やポリプロピレン(PP)系ワックスに、床用、家具用などの大部分の市場で駆逐されてしまい、一部が残るのみとなった。しかし、スノーワックス界では依然として主力である。
 融点が低く比較的ワクシングがしやすいのが、強みである。また、同じパラフィンでも、硬いものほどホットワックスとして優れていると考えてよい
ポリエチレン系ホットワックス   (PEワックス)  ポリエチレン(PE)を主体としたホットワックス。スノーワックス界では今まで存在していなかった。スキーやスノーボードのソールは、撥水性や潤滑性が買われて、かなり以前からポリエチレンに移行したが、スノーワックスの主素材にポリエチレンを主体としたものが現れたのは、つい最近のことである。
 ポリエチレン系は、従来のパラフィン系に対して、ワックスの性能を決定する4大要素である、硬さ、弾力、撥水性能、自己潤滑性の全てで大きく優越しており、一般市場でパラフィンのシェアを奪いパラフィンにとって代わった。最近になって、そのカタログ性能を背景にスノーワックス界にも侵攻したが、パラフィン系より融点がやや高いため、パラフィン系は絶滅せず、棲み分けが行われると予想される。
ポリプロピレン系ホットワックス    (PPワックス)  ポリプロピレン(PP)を主体としたホットワックス。スノーワックス界においてはポリエチレン(PP)系以上に馴染みが薄い。ワックスとしてポリエチレン系に対抗できる素材のひとつ。一般市場においてはポリエチレン系とすでに競合関係にあり、その有用性は証明されている。
 このため、ポリエチレン系ホットワックスに対抗しうる新素材として、スノーワックス界でも先年から試作、試験が始まり、そのデータを元に本年の春ごろ特許が出願された。難点は、ポリエチレン以上に融点が高いことと、ソールとは微妙に異なる素材(→定着性)であることなどである。来年にはポリエチレン系とのハイブリット型が市場に姿を見せると思われる。

 11/24 PP主体でホットワックスをつくると、PE製のソールに対して、やはり定着性が悪い。しかし、滑走性能(特に潤滑性能ではPEに勝っているようだ)が高いことがわかり、しかもPEワックスとのハイブリットは、定着性に問題が起こらないので、今後PEワックスとPPワックスの両者は統合される方向に進む。PPは硬いのに、施工ムラが起こりにくいのは、意外だった。
 3/30 滑走性能はPPがPEより優ることがわかってきたが、どうも耐候性の部分に問題があるのか、ベースバーンを起こす。非常に良く滑るのだが、一週間持たずにベースバーンがおこるのは、ホットワックスとしては辛い。
超低分子量ポリエチレン系ホットワック
   
 (L-PEワックス)
 超低密度とも。ポリエチレン(PE)系ホットワックスの中でも、融点が低い素材であるが、カテゴリー上はポリエチレン系に含まれる。融点が低くなって塗りやすくなっている反面、ワックスに求められる硬さや弾力が低分子ポリエチレンに比べて劣っている。(パラフィンには優越)
 耐摩耗性や滑走性でPEに劣っているが、融点が低いためパラフィン系ワックスにとっては、ポリエチレン系ホットワックスよりも、脅威度が高い。今秋ごろから試用試験などが予定されており、来年には試作型の一部が市場に姿を見せるはずである。

 3/30 結局姿を見せなかった。開発者がある工夫でPEの融点が下がるのを発見したことと、なにより仕事に忙殺されて手が回らなかった(本音)
高分子量ポリエチレン系ホットワックス  (H-PEワックス)  高分子ポリ(H-PE)のワックスは、カテゴリー上はポリエチレン系(PE)ワックスに含まれる。
 ソールの素材などは、高分子ポリが使われている。ソールと同じ素材であるポリエチレン系ワックスの存在は、そのままソールそのものをワックス化できることを意味しており、原理的には、H-PEワックスでソールを作ればホットワックスは不要ということになる。
 しかし、ワックスは長時間使用することにより、表面から滑走成分が抜けてくる上、添加剤の多くも雪面に接触しなくては効力を発揮し得ないものが多い。そのため将来は、耐摩耗性、自己潤滑性に特化したH-PEワックスでソールをつくり、撥水性をPEワックスなどが担当する形態が見られるかもしれない。
 なお、ホットワックスとあるが、H-PEのホットワックスは、融点が高く、一般のワクシング環境下では、施工が困難であり一般に使用されることはないだろう。しかし、それだけに性能は隔絶しているものと推測され、少数の者に利用されるだろう。

        ■ホットワックスの分類■
                
用途より分類
赤色は既存技術
紫色は共用技術
青色はオリジナル

用語 記事
ベースワックス  ホットワックスの類別のひとつ。既成概念では、ホットワックスは滑走とベースの二種類に分類される。ベースワックスの目的は二つ。ひとつは、繰り返しのワクシングによる毛羽取りであり、もうひとつは、本来入れるべき滑走ワックスの為のつなぎである。
 ホットワックスは硬いものほど、性能の絶対値が優れているが、硬いパラフィンワックスはバリバリと剥離して、上手にワクシングするのが難しい。そこで、柔らかいパラフィンを下地として入れるのが一般的だ。これが、ベースワックスである。
 ベースワックスは、大部分は剥がして、またその上に本命の滑走ワックスをかぶせる為、滑走性を高めるための、添加物(フッ素樹脂など)が入っていないことが多く、その分安価である。
滑走ワックス  パラフィンのホットワックスは、重ねて塗らないと本来の性能を発揮しにくいことが多く、結果、同一の板を仕上げる為に、何度もワクシングをすることが多くなってくる。そこで、添加物(フッ素樹脂など)を多く含む、パラフィンを別に用意しておき、最後の仕上げに塗ることがある。この仕上げに入れるワックスは、当然、滑走性を高める為、添加物を多く含む。その分、高価である。
保護ワックス  ポリエチレン製のソールを、外気や紫外線などから保護する目的で作られたワックスおおむねシーズンの終わりにスキーやボード等を格納する前に、ソールの保護を謳って、保護ワックスが推奨されることが多い。
 外気等からソールを遮断すればよいため、保護ワックスは安価なベースワックスがそのまま用いられることが多い。 

 ソールを構成するポリエチレンは、酸素に触れることで弱くなる性質をもっており、このことが保護ワックスの根拠となっていることが多い。しかし、一般にいわれている酸化は、実際には雪との摩擦で発生する毛羽たちであることが多く、ポリエチレンの性質上、半年程度外気に触れたくらいで、表面がぼろぼろになることは考えにくい。また、ソールが摩滅する環境下では、エッジが先に朽ちるだろう。